~新規事業の実践論 集中講座~を終えて
皆さま、こんにちは。KECビジネスコンサルティングの日下です。
もうすぐ新年度ですね。
4月から新しいことに挑戦したり始められる方も多いのではないでしょうか。
年度の変わり目で中長期的な計画を見直すタイミングでもありますが、新規事業に関して検討を考えられている企業様もいらっしゃると思います。
とはいうものの、「新規事業ってどうやって立ち上げたらいいの?」「アイデアはあるけど何から手を付けたらいいか進め方がイマイチわからない」など、プロセスについて迷われることもありますよね。
そこで、新規事業の専門家であるアルファドライブ×KECビジネスコンサルティングで、2月13日・19日の2日間に渡り、「新規事業の実践論・集中講座」を経営者・幹部向けに開催しました。
総勢23名の方にご参加いただき、新規事業の手法について学びを深め合いました。
- 新規事業を立ち上げる際の正しい方法
- 投資判断のポイント
- 新規事業を任せる人財の育成方法
の3点を目的とした講座でしたが、そのなかの一部をご紹介したいと思います。
<受講中のご様子>
【立案することは難しい】
突然ですが、「センミツ」という言葉はご存知でしょうか。
新規事業においては、1000の立案のうち3つしか立ち上がらないくらいの確率といわれており、それを経営者のみで立案していくことは現実的には難しいため、社内起業家候補から案を出してもらうことが重要となってきます。
また、立ち上げ時に欠かせない顧客設定などの各段階を踏むことがとても重要で、そういったプロセスに気づいた企業は事業を生み出していくともいわれています。
【答えを唯一持っている人物とは】
新規事業を進めていく中で、唯一「答え」を持っている人がいます。
それは「顧客」です。新規事業が成功するかどうかはコンサルタントや経営者でもなく、「顧客」が判断をするのです。経営者・幹部の皆様は「顧客」と担当者のパイプ役となることが第一歩の重要な任務になります。
【課題の設定の仕方と質問力】
「A」という商品について顧客にヒアリングを行う際によくある会話の一例です。
自社:「弊社のAという商品ですが、ご覧いただきどう思われますか。」
顧客:「いいんじゃないですか。」
この会話を聞いて皆様はどう感じましたでしょうか。
「売れる」・「成功する」と思われましたか? 実は、これはよくある失敗例です。
この状況で商品化し販売をしても短命に終わってしまうのがオチだそうです。
本当に「売れる」・「成功する」商品を考案するには次の3点がポイントになります。
- 顧客が痛みを伴うほど強烈な課題か。時間、労力、お金を投下して痛みを感じているか。
- 共感、感動、気付きを呼ぶ強烈なエピソードがあるか。
- 自分や仲間が解決すべき課題かどうか。
顧客へのヒアリングにおいても重要なポイントがあります。
それは、「YES」か「NO」で答えられる質問はしないことです。
「昨日、昼ご飯は食べましたか。」→「はい・いいえ」のやり取りになってしまいますが、「昨日の昼ご飯は何を食べましたか。」と聞くことで、「カレーを食べました。」といった具体的なワードを引き出すことができますね。
そして、課題がどういうシーンで起きるのかを洗い出すことで、どのような課題を抱えているかをより具体的に引き出すことができます。
【価格設定の仕方】
顧客に「この商品をもし買うなら、いくらであれば買いますか。」とつい聞きたくなるところですが、この質問はご法度であり、値決めにおいては「理論上設定可能な金額(最高)」を付けるのが鉄則だそうです。
高く売るには、圧倒的な商品力が求められます。例えば、Appleが販売しているiPhoneは。2007年の販売時には約8万円、今では約20万円というモデルまで登場している状態ですが、色々な性能が上がったとはいえ価格が上がっても消費者は購入を続けています。商品力はいかに世の中に広く認知されているかも重要ですが、そういったことを踏まえると、圧倒的な商品力が備わる事業は儲かるといえるでしょう。
まだまだお伝えしたいことはございますが、今年の7月から約半年間に渡り、
アルファドライブ×KECビジネスコンサルティングでは、新規事業実践論の担当者向けのプログラムを開講予定です。
実践的なプログラムとして伴走者と一緒に新規事業を構築していくことができる内容で準備をすすめております。詳細は決まり次第、公開いたしますので皆さまお楽しみに!!