コラム

今、求められる「組織のリーダー」とは

皆さま、こんにちは。KECビジネスコンサルティングの中嶋です。

あっという間に2022年も仕事納めの時期になりました。

皆さまにとってどんな一年でしたでしょうか。

 

環境変化が激しく先の見通しが立てづらい現代社会において、

企業が永続的に発展し続けていくには、「不易流行」の視点をもって、

不変的な理念やビジョンを明確にし、

そこに向かっていくための経営戦略と人材戦略を考える上で、

“継続することは何か?”“これまでと何を変えるのか?”“どんな違いを打ち出すのか?”

という着眼点がいっそう必要になっています。

 

そして、この複雑で多様化した現代社会(VUCA時代)において、

組織を動かす「リーダー」の存在が企業の発展を左右するといっても過言ではありません。

 

今回は、組織を動かす「リーダー」について考えてみたいと思います。

 

 

今、求められる組織のリーダーとは

皆さまは、「理想のリーダー像」を問われたら、どのようにお答えになりますか?

 

昨今、日本においてはあらゆる組織が「閉鎖系」から「開放系」に

移行することを迫られています。

言い換えれば、急激に変化する時代の中で翻弄されることなく方向性を示し、

組織をまとめあげて成果を生み出し、企業価値を創造・向上していける

「真のリーダーシップを発揮」できる人材が必要とされています。

 

そして、組織単位におけるリーダー、いわゆる管理職には、

自組織をまとめ、牽引し、チームとして成果を上げ続けることが

求められますが、そのリーダーの“スタイル”も変化してきています。

 

VUCAの時代に、リーダーがすべてにおいて的確な意思決定を行うことは容易ではない

・メンバーの多様化が進み、従来の管理や育成方法では対応できないケースが増えている

 

こうした背景もあり、

これまで日本の主流であった強い支配力でメンバーを率いていく支配型のスタイルよりも、

メンバーの個性・特性に応じて寄り添い、主体的な行動を促す“支援型”のスタイル

(サーバントリーダーシップ)が注目されるようになっているのです。

 

 

支援型リーダーシップの必要性

サーバントリーダーシップの考えは、

「リーダーである人は、まず相手(メンバー)に奉仕して、

そのあと相手を導いていくことが必要だ」という、

ロバート・グリーンリーフ氏が1970年に提唱された哲学が元になっています。

 

ここ最近、「部下が考えて動いてくれない」「主体性が低い」

といったお悩みの声をよく耳にします。

そういった状態をつくってしまっている要因の一つとして、

このリーダーのスタイルが関係していることがしばしばあります。

 

リーダーが一方通行で指示や命令を中心としてメンバーを動かしている

支配型リーダーの組織になっていると、

メンバーは“指示されたことをやればいい”というスタンスになってしまい、

目的・ゴールがわからずに自分で考えて動こうとしなくなる・・・

ということになってしまいます。

 

メンバーが目的や目標に向かって主体性を持って動けるためにも、

メンバーの能力・特性・個性などを受容し、

支援型のスタイルでメンバー一人ひとりの目標達成を通じて、

チームとして成果創出していける環境を作り、

人材の成長と組織の成長を促していくことが必要ではないでしょうか。

 

「支援型リーダーシップ」を実現するために必要な特性について、

少しみておきたいと思います。

 

 

支援型リーダーシップに求められる特性

NPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会によると、

重要な10の特性があると謳われています。

 

1.傾聴

相手の話に耳を傾け、相手のホンネや望みを聞き出し、

メンバーを知ることが必要です。

2.共感

メンバーの信頼を得て関係を築くには、聴く姿勢だけでなく、

共感的であることが必要です。

3.癒やし

人や組織において、欠けていたり傷ついていることを把握し、

本来の状態を取り戻すために必要です。

4.気づき

客観的に物事を観察し、本質的な問題や改善点に気づく力が必要です。

5.説得

相手にわかりやすく説明し、相手と合意形成しながら

納得してもらう力が必要です。

6.概念化

物事の本質を捉えられる力です。概念的なビジョンや目標を

具体化していく力も求められます。

7.先見力

現状を捉え、過去の成功や失敗も踏まえ、

未来を予測していく力も必要です。

8.執事役

メンバーが持てる力を発揮し、安心してチャレンジできるために

執事役であることも必要です。

9.人々の成長に関わる

結果や目に見える貢献だけでなく、存在じたいに内なる価値があると信じ、

メンバーと関わることが必要です。

10.コミュニティづくり

同じ目的ゴールに向かう組織メンバーの中で、

“同士”のコミュニティを創り出す役目も求められます。

 

 

これらの特性は、すぐに身につくものではないですが、

鍛えて磨いていくことができます。

 

また、リーダーはこうしたスキルを身につけていく中で、

組織の現状や問題を多面的に把握していくことが必要であり、

組織としての方向性・戦略・目標を打ち出すには、

経営的視点での考え方や知識も必要になります。

 

 

私たちKECでは、VUCAの時代に適した「真のリーダー」を育成していくことは

企業にとって大きな命題であると考え、

これからの時代を担っていく組織リーダーの育成(次世代リーダー育成)や、

well-beingを高める組織づくりの支援に力を入れております。

また、支援企業様の事例を紹介させて頂く無料セミナーも開催しております。

組織力を高めるためのヒントを得て頂ければ幸いです。

 

<関連リンク>

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